「製造業はレコード会社になる」論

SONYさんやYAMAHAさんが、アイディア公募みたいなことをしたり、弊社がオープンイノベーションと言い出したことを
「自社で新しいものを作るチカラが無くなったんだな。」
という人がたくさんいました。

SONY 1st flight
https://first-flight.sony.com/

「Seed Acceleration Program(SAP)」
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr_report/about/sap.html

YAMAHAアクセラレータープログラム
http://yamaha.01booster.com/

「そうなのかなー。」
…と考えていた時にふと、
「そういえば、ミュージシャンになりたくて、レコード会社に就職するヤツぁいねーなあ。」
と。
絵描きになりたい人が、世界堂に勤めるという話も聞かないし、洋裁や編み物アーティストになりたい人が、ヴォーグ社やハマナカに勤めるという話も聞かない。
と思ったのです。

そこからあれこれ考えた、「1個売ってナンボ儲けた。」を、大規模にやっている会社が、どうなったら未来に生き残れるのか、生き残る形の一例はもしかしたら
「今のレコード会社かもしれない。」
というお話です。

[話の概要]
「進展国の大規模製造業の未来の姿は、現在のレコード会社かもしれない」
~20年間で、製造業から非製造業に変換した業界

参考資料 みずほ銀行 「コンテンツ産業の展望 第4章 音楽産業」
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/1048_03_04.pdf

--------------------
「業界丸ごと、製造業から知的産業に変わった例」
~レコード会社。約20年の間に、1枚売っていくらの製造業から、プロデュース&著作権業に変わった

[あらすじ] (今のところ、「あらすじ」しかありません。(笑))

1.レコード業界の歴史と荒波
2.収益体質の変化
3.「ミュージシャン」を「イノベーター」と読み替えてみると
4.ライセンス料と描ける世界
5.大規模製造業の「コアコンピタンス」とか「その会社」らしさはどうなるのか。

1.レコード業界の歴史と荒波
レコード業界は1900年前後に端を発し、1950年代に世界的には一大産業へ発展した。
日本では、1970年代に急成長する。

従来、「レコード会社」は、「1枚売って何円」の製造業であった。(それと著作権料)
日本市場の場合、市場が形成された1950年頃から今日までの約70年の間に大きな脅威(と思われるもの)が何度かあった。

i .レンタルレコード業~ 一般の人がレコードを買わなくなる恐怖。
ii .インディーズレーベル~ カセットテープの普及などにより、大手レコード会社に頼らなくても、音楽が売れるようになった。
iii .デジタル配信~ レコード盤などの、物理メディアの存在の意味が変わる。製造ラインどうする?
iv .デジタル楽器の進化とYOUTUBE~ 物理メディアや楽器をたくさん用意するお金が無くても、PC一台で音楽を作って世界中の人に聴いてもらえるようになった。

2.収益体質の変化
これらの音楽業界を取り巻く構造の変化により、現状、レコード会社14社の総売上高のうち、
「物理メディア1枚いくら」の音楽/映像ソフト売上が総売上高に占める割合は、50%以下になっている。
US三大メジャーレーベルでは、1/3かそれ以下である。

物理メディア以外の売り上げは、デジタル配信料、著作権料、ライブコンサート、アーティストマネージメント料などで構成されている。
「製造物販業」から、「形の無い物での商売」への変化を遂げている。

3.「ミュージシャン」を「イノベーター」と読み替えてみると
「ミュージシャン」を「イノベーター」に置き換えてみると、
レコード会社の収益変革モデルが、弊社のような大規模製造業に当てはめられないだろうか。
-------------------
「ミュージシャン」は、「レコード会社」に就職しないで、自分で譜面を書いたり打ち込みをしたり、バンドをやったりして自分の音楽を作る。(昔は、「歌手」や「作詞/作曲家」は、レコード会社所属。)

「イノベーター」は、自分で図面を描いたり、クラウドファンディングでお金を集めて物を作ったり、
スタートアップとか、ベンチャーとかをやる。(今は、会社にいる人が、新しいものを考えて図面を引いている。)

「ミュージシャン」は、オーディションに出たり、ライブ活動で実績を積んだりして、大手レコード会社と契約をして大手からレコードを出してもらって有名になる。と後の活動がやりやすくなる。

「イノベーター」は、スタートアップ企業を大手に買ってもらったり、考えた商品の製造ライセンスを売ったりして自分が考えた商品を、たくさん作ってもらって世に広く出してもらう。
すると、次の物の資金調達や、販売がしやすくなる。
-------------------

4.ライセンス料と描ける世界
知的産業になるためのもうひとつの重要な部分は、音楽業界でいうライセンス料/著作権のところ。
自分のところで作って売るのは、最初の1~数ロット。
「CD」でいうところの、「初回限定盤」みたいな。

それを売り切ったら、あとは、作りたいと言ってくれるところにライセンスを売っちゃう、
またはある程度のライセンス料を払ってくれたら、コピー作成販売OKにする。

ライセンス料の設定で、いろんな工夫ができる。
「品質が良さそうな会社には、高いライセンス料を設定する。」
逆に、
「品質が良さそうな会社ほど、ライセンス料を安くする。」

どちらにするかは、
「その商品でどういう世界を描きたいか」
で、決まってくる。
新興国の会社がコピーする時は、数ロットはコピー料金無料/割引しちゃったり。

「ミュージシャン(イノベーター)」との契約の方法も、いろいろ音楽業界に学べるかと。
権利買い切りとか、月給制とか、売り上げも権利料も持合いとかとか…。

5.大規模製造業の「コアコンピタンス」とか「その会社」らしさはどうなるのか。
多くの大規模製造業に共通する強み(=コアコンピタンスと言ってもいいかもしれない)は、
「広く、多く、(速く)世に出す力。」

それを因数分解すると、こんな感じのチカラ。↓
・製造ライン
・量産に耐える物に磨く力やシステム(評価制度とか各種要件とか)
・不足している技術を補う人材
・ネームバリュー
・プロジェクト(マネージメント)制度

「その会社らしさ」がどこに出るのかというと、それは「技術/商品の目利き」。
レコード会社ってひとくくりに言ったけど、BluenoteはやっぱりBluenoteだし、エイベックスも、テイチクもちゃんとカラーがある。
目利きと育て方(プロデュース)に、「その会社らしさ」が残る/残す。

たとえば、Hondaさんで考えてみれば、
「一人のエンジニアが夢をかなえた会社が、あなたの夢もかなえる。
『その夢』が、人類を豊かな世界へと導く。」

Hondaが大きくなったのは、宗一郎が藤澤に出会ったからだと思うのです。
世の中でのあちこちで芽を出し始めた「現代の宗一郎」にとっての「藤澤」に、大企業がなってあげられれば。

(おしまい)
--------------------

こんなことを、ぼんやりと考えました。
考えたのはいいけど、なんか、荒唐無稽かなとも思えて、人に話す気はなかったのですが、ある時、この資料↓を見て

リクルートが示す2030年の働き方、テクノロジーによる変化をプラスに変える方法とは?
http://bizzine.jp/article/detail/2104

「あ、形にして残しておこう」
と思いました。

リクルートさんが提案する、未来の働き方のモデルのひとつです。
「テクノロジスト」を「ミュージシャン」に読み替えると、今のレコード業界とほぼ同じなんです。
(レコード業界はもっとずっと複雑ではあるのですが。)

昔は、金属で物を作りたかったら、就職するしかありませんでした。
今、就職しなくてもいいんです。

レコード会社に勤めている人たちは、音楽を生み出す人をサポートする人たちです。
製造業も、そうなるんじゃないかな。
っていうか、本当に物が作りたい人、製造業の内側に、今、いるのかな??

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中